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大人の同人は寄付文化になればいい

2011.03.21

同人イベントにサークルとして参加していて常に頭を悩ませるのは値付け問題だと思う。

特に一点もののイラストや色紙は値段がつけづらく、欲しいと言ってくれる人が複数いる場合どのような形で頒布するのが良いのか、全く分からないでいる。じゃんけん?早い者勝ち?オークション??

 
同人誌であれば、値付けにある程度の目安があって、コンセンサスを得ていると思う。目安については一度調べたことがあるし、自分にとっても直感的な価格だった。

作者として、作った同人誌はいっぱい売れて欲しいと思うし、かといって過度に安い値段をつけるのも自分を安売りしている気がする寂しさがある。

無償配布ではなく、目安の値段を元に頒布するというのは、自分のやったことにはそれだけのお金の価値があるのだと実感できると言う点で作者にとって意義がある。印刷代や経費をサポートしてねというのはエクスキューズに過ぎないと思う。でもこのエクスキューズというのは、値段をつけるのにとても役に立ってる。たとえばネットにに上げられた画像に値段をつけるのは、本当に難しいよね。

では、複製物ではないモノはどうするか。これも難しい。使用済みポスターだとかスケブとかは無償で差し上げてきたのだけど、同人誌は買えないけどポスター無料なら欲しい、スケブ描いて貰おうというのが見え透いてしまったときはどうするか。イベント前にあらかじめ描いて持ってきたイラストボードとかならどうすればいいのか。欲しいと言ってくれる人が複数いた場合は?

アフターイベントの懸賞に回すという手もあるけど、創作やオールジャンル系ではアフターがないのが普通だし、アイマスオンリーなどではアフターの懸賞が多すぎて時間の都合から流れ作業のように処理しないといけない。これはちょっと寂しい。

冬コミではそれをメール登録での後日抽選という形にしたのだけど楽しかった一方で、これを今後も続けたいかと聞かれると微妙ではある。郵送が必要で、つまり個人情報を交換することになるし、なりよりお互いにかなり面倒なのだ。

そこで、手応えは欲しいけど値段をつけるのが心苦しいというときのエクスキューズに「募金」という名目を与えてはどうだろうか。というのが今日の実験。下に続く。

名古屋のイベントにお手伝い参加

今日は名古屋駅前でアイマスその他の男性ジャンル同人イベントに参加してきました。時間や体力に不安な最近なのだけど電車で30分のこの地なら気軽に参加できちゃうね。参加と言っても、奥さま(恋さん)のサークルのお手伝いと言うことだったのだけど、自分の本も委託販売してもらって、その勢いでスケブも描いたり。

アップロードファイル 205-1.jpg
スケブ楽し。

右下の絵は半年前にイベントで描いたものの処理方法に困っていた色紙で、日付が9月になってるのはそのせい。
で、ふと思い立って震災へのチャリティーとして値段を付けて売るのはどうだろうと初めての試みをしてみた。それも自分ならちょっと買えない値段。そしたら驚き、紳士が買い上げてくださった!なんという手応え感!

アップロードファイル 205-2.jpg
赤十字に募金してきました。

今後は、スケブを受け付けるときは募金(寄付)を募るのもいいかな、と思うようになりました。うん。決めた。そうしよう。

ただ、募金と銘打つのなら、いつどこにどのような手法で寄付を行うのか明示するべきだし、できればその結果を領収書とかで報告するのが礼儀だと思う。ぶっちゃけコミケ会場に(ちゃんと領収書を発行してくれる形での)募金ブースがあればいいと思う。

募金なので、金額は払う人の自由で、、とか考えてしまうけどそこは具体的に金額をつけるべきだと思う。自分が買い手側ならそっちの方がずっと払いやすい。そしてその金額は作者にとってチャレンジングな、ちょっとあり得ない高い値段をつけるべきだと思う。売れなかったらそれはそれ。だって寄付するんだもん、高い値段も恥ずかしくないよ!

今回、未曾有の大震災で寄付に注目が集まっている。寄付の体制もこれを契機に洗練されていくだろう。自分も奮発して寄付をしたばかりで寄付の喜びに目覚めつつあるのだけど、できれば寄付の習慣を続けていきたいと思う。

収入の1%ぐらいを寄付するのがいいよ、なんて話を聞いたことがある。同人イベントにサークル参加したら、そのたびに売上から一定額を寄付する習慣ができたらいいなと思う。それでこそ大人の同人活動。寄付のキッカケというかちゃんと寄付をする約束という意味でも、募金スケブというのは効果がありそう。

 
どう思われますか?

23:25 [Comment:4]

comment

コブヘー 2011.03.22-07:37 Edit

面白いです。


イラストほしさを金額に換算してアピールすることも、即売会場で単に募金をすることも抵抗がありますが、チャリティーだと違和感がありませんね。
お互いに言い訳になっているというか。


コミケも森林保護募金とかやっていますが現状はどうなんでしょう。
私は、募金先が他にないことに違和感がありますが。


チャリティーの問題は、そこそこ原価がかかるものの場合、出品した人の負担が大きくなることでしょうか。
チャリティーで出してもらった金額から原価を抜くというのは許されない気がします。
出品する人がセレブならいいんですが…。


後は、本当に大好きなファンでスケブをお願いしたいけれど、でも自由になるお金がない中学生とかは困るかもしれませんね。

ko-wa 2011.03.23-00:31 Edit

チャリティー販売は売上の全額を寄付するのが普通かどうか、調べてもよく分かりませんでした。ここで考えてるのはスケブや使用済みポスターなどで、原価や手間の掛かってるものは従来通り、しっかり値段をつけて頒布するべきだと思う。(スケブだって対価を払うべきかもですが)。

災害を目の当たりにして、なにか継続的に支援できることはないかと考えてたのと、たまたまイベントでスケブを何冊も抱えたハンターのような参加者を見て(笑)、ここにナイスなマッチング!と思い付いたわけですが、問題点が無いかしらと思案してます。

コミケの森林募金は、寄付先の森林文化協会というのがよく分からないです。赤十字なら良いのか、っていうとそれも疑問ですが。ただ、寄付先を作家が選べると言う点は意義があると思う。

コブヘー 2011.03.24-06:04 Edit

スケブハンターって言葉使わせてもらいます(笑)


手間と一点ものの価値を考えると、熱心なファンへのサービスだから無償という文化だと思うのですが、複数のスケブをあちこちのサークルに渡しまくってるハンターに対して??という時はありますね。
1冊が全て同じキャラで埋まっていたりするとそれはそれでいいものだと思いますが(^^;


あと同人界で需給関係が崩れているものだと、数が作れなくて行列になってすぐ売り切れるようなコピー誌なんかもチャリティーにして価格をグッとあげればいいかもしれません。

ko-wa 2011.03.24-23:20 Edit

超人気作家が行う部数限定本の場合、難しいですね。複製物はよほどの理由がなければ十分供給できるはずで、そこであえて少ない部数でイベント参加するというのは別の理由があるのかも。開幕にわっと人が集まって、さっと店じまいすることに喜びを感じているのかもしれません。

チャリティってのいうのも、単なる一つの価値観に過ぎないので、そうじゃない行動も大切にしないといけないと思ってます。ただ、金銭の授受でスムーズに動くことがあるのならお金の力を借りるのも悪く無いと思うんでうが